任意整理をすると何年で返すことになるか
1 任意整理後の返済期間は一般的には3~5年
結論から申し上げますと、任意整理をした場合、残債務の元金と和解日までの遅延損害金の合計額を3~5年で分割返済することが多いです。
任意整理に至る前の返済状況や、経済情勢、貸金業者の運営方針等によっては、返済期間が短くなることも、長くなることもあります。
以下、任意整理の際の返済期間の考え方、および返済期間が短くなるケースについて説明します。
2 任意整理の際の返済期間の考え方
任意整理をしたとしても、その後の返済ができなければ、任意整理をする意味がありません。
任意整理後に返済が可能であるといえるためには、返済原資(月々の手取り収入から生活費を控除した残額)が、任意整理後の月々の想定返済額を上回らなければなりません。
そのためには、まず家計状況をしっかりと整理し、返済原資を正確に把握する必要があります。
ほとんど使っていないサブスクリプションサービスなど、不要な出費がある場合には解約するなどして節約を心掛け、返済原資を増やすことも大切です。
例えば、貸金業者等に支払わなければならない金額が150万円で、返済原資が3万円である場合には、50回以上に分割をすれば返済が可能ということになります。
そこで、やや余裕を持たせて、60回分割(返済期間5年)で返済することを貸金業者等に提案します。
3 返済期間が短くなるケース
任意整理前の滞納期間が長期に渡っている場合や、借入れた後ほとんど返済していないというような場合には、貸金業者等の交渉態度が硬化する傾向にあり、短い返済期間でしか合意しないということもあります。
経済情勢が悪化している場合、貸金業者等には回収を早めたいという意思が働くため、返済期間を短くする傾向にあります。
貸金業者等によっては、36回分割(返済期間3年)以上の返済回数には応じないという方針を有していることもあります。
また、訴訟提起に至っている場合には、60回分割(返済期間5年)以上の返済には応じないというケースも見受けられます。